Avant Garde Gothic Alternates / Avant
Garde Ligatures |
今でも、あらゆるところでよく目にする傑作フォント「アヴァンギャルド・ゴシック」。
巨匠ハーブ・ルバーリンによるデザインで、
「Futura」からインスパイアされたそうです。
これといった特徴はありませんが、オルタネートと組み合わせることで、強烈な個性を発揮します。
シンプルでありながら、このうえなくかっこよく、ここまで複雑さが増す書体は他に見かけません。
ステムから離れた特徴的な「R」は「Elegant Grotesk」(by Hans Möhring in 1928)や「Peignot」(by
A.M. Cassandre in 1937)、オルタネートの「A」は「Laxton
Map」(1635 /
Laxton Common)で使われた書体の影響がうかがえます。
もともとは、ラルフ・ギンズバーグ(Ralph Ginzburg)によって1968年に創刊された雑誌『Avant
Garde』のロゴとしてデザインされ、1970年に ITC から完全なフォントとして発売されました。
発売されてすぐに雑誌やレコードのガヴァーアート、とくに'70年代のジャズやブラジル音楽のジャケットには頻繁に使われました。
後にベンギアトとカルナスによって、いくつかのウエイトが追加されました。
この書体をはじめて知ったのは、Work
In Progress が手掛けるファッション誌『Self
Service』。
「なんていう書体だろう?」と、まったく知識のない状態で血眼になって探しまわった結果、半年後くらいに判明。
後々、確認すると、よく聴いていたレニー・クラヴィッツ「Are
You Gonna Go My Way」のジャケットに使われていたり、初代ファミコンのロゴになっていたり...。
意外と身近な存在だったんですね。
さて、このフォントは、5つのウエイトをすべてインストールして画像編集エディターを開くと、選択欄では「X-Light」「Book」「Medium」とか表示されません
。
「Book」をボールドにすると「Demi」、「Medium」をボールドにすると「Bold」となります。
フォントはさまざまなメーカーからリリースされていますが、現在、唯一オルタネートがデジタル化されている Elsner + Flake
社製をおすすめします
1994年に URW 社もオルタネートをリリースしましたが、現在は販売されていないようです。
また、Fotostar 社からは「Vanguard」というレプリカもリリースされたようです。
Links :
A Brief History of Avant Garde |
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