ヴェルーシュカは、1939年5月14日ドイツ生まれ。
'60年代を代表するスーパーモデルのひとり。

ミケランジェロ・アントニオーニの映画 『Blow Up』（'66）で、 デヴィッド・ヘミングスに激写されているのがヴェルーシュカ。 これでピンとこられた方は多いのではないだろうか（ちなみにカメラは「Nikon F」）。 本名は、Countess Vera Gottliebe Anna von Lehndorff 。 ドイツとポーランド、それにロシアの混血のようである。

名前の前についている「コンテス」（Countess）に注目。
「伯爵婦人」を意味する言葉で、彼女の父は100室以上もある屋敷に暮らす、ドイツの伯爵だった。
'44年、父はヒトラー暗殺未遂で処刑され、母はナチスによって投獄されてしまう。
終戦後、母や兄弟と再開するが、その生活は悲惨だっようだ。

'61年頃からニューヨークに住み、モデルになる。
'66年頃、「ヴェルーシュカ」と変名し、その圧倒的な存在感で、
サンローランやヘルムート・ニュートンのミューズに。
また、菜食主義者で着飾らない彼女のライフスタイルは、ヒッピーたちから支持された。

恋人は、ファッション写真家の Franco Rubartelli 。
'71年から'73年まで、俳優のピーター・フォンダと付き合っていたようだ。

'70年頃からアーティスト／パフォーマーとしても活動。
ヴェラ・レーンドルフ名義で、アーティストのホルガー・トリュルシュとコラボレートした
『ヴェルーシュカ ： 変容』を発表。
ヴェルーシュカにボディペイントを施し、風景と同化させた作品だ。
自然への回帰を提唱するヒッピーである彼女の精神を、
ヴィジュアルで表現したといえるかも知れない。

近年は、『TIME』誌の「世界でもっとも影響ある100人」に選出され、
ブルックリンでたくさんの猫たちと暮らしている。

1. Photo by Franco Rubartelli, 1968
2. 「Veruschka : Transfigurations」 Vera Lehndorff & Holger Trulzsch
3. 映画 『Veruschka』のサウンドトラック。曲は映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネが手掛けた。
4. Suede　"The Drowners"（'92）　モデルはボディペイントを施したヴェルーシュカ。 ■出演作品

1989年　「Orchestre rouge, L'」
1985年　「The Bride」
1985年　「Vom Zusehen beim Sterben」
1984年　「Dorian Gray im Spiegel der Boulevardpresse」
1979年　「Milo-Milo」
1978年　「Couleur Chair」
1976年　「Cattivi Pensieri」
1972年　「Salome」
1971年　「Veruschka」
1966年　「Blow Up」