オリヴィエ・ムルグは1939年、パリに生まれた。
Ecole Boulle でインテリアデザイン、ENSAD で家具デザインを学び、'60年に卒業した。
'63年、エアボーン・インターナショナル社のデザイナーとなり、
'65年に同社から「Djinn」シリーズを発表。
スタンリー・キューブリック監督の映画『2001年宇宙の旅』(1968年)で、
ヒルトンホテルのロビーに登場する一連の椅子がそれだ。
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2001年宇宙の旅
Djinnシリーズが登場するワンシーン |
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Hamilton X-01
ちなみに、これが『2001年宇宙の旅』に登場するハミルトンの腕時計 |
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'66年には、エディ・スリマンも敬愛するゴーチェ・ドラエ(Gautier Delaye)
のインテリアデザインを担当。
その後、パリに自身のスタジオを設立し、大手スーパー Prisunic や、
大統領官邸の家具などを管理する国家機関 Mobilier National のために家具を製作した。
'67年、モントリオール万国博覧会と、
'70年の大阪万博で、ピエール・ポラン(Pierre Paulin)とともに
フランス・パビリオンのインテリアデザインを担当。
'68年、「Cubic Chair」で AID International Design Award を受賞した。
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Cubic Chair
ムルグの作品としてはあまり知られていない幻の椅子 |
同年、ジョエ・コロンボやヴェルナー・パントンらの作品で知られる
Bayer AG 社の前衛的なインテリアデザイン・プロジェクト「Visiona」に参加。
フロアをカーペットで敷き詰め、そこにすべてのユニットを組み込んだ作品を発表した。
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Visiona 1
1969年 Joe Colombo |
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Visiona 2
1970年 Verner Panton |
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Visiona 3
1971年 Olivier Mourgue |
'76年、スタジオを閉鎖してブルターニュへ移住。
ブレストの École des Beaux-Arts の教授に就任した。
現在は、ブルターニュの Plouguiel という小さな町に在住している。
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