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[ 1930 - 1971 ] イタリア web |
ジョエ・コロンボ / ジョー・コロンボ |
ジョエ・コロンボは、わずか10年あまりの活動で300以上のプロジェクツを手掛けた天才的デザイナー。
当時、新素材だったファイバーグラスやABS樹脂、ポリエチレンをいち早く導入し、
美しい曲線と機能性が融合した画期的な作品を世に送り出した。
日本では、「Elda Chair」や美容室でよく見かけるワゴン「Boby」が有名。
1930年、ミラノ生まれ。
本名は チェザーレ・コロンボ(Cesare Colombo)といって、「ジョエ」はニックネーム。
アーティストを志し、ミラノ国立ブレラ美術学院で絵画と彫刻を学ぶが、
ミラノ・トリエンナーレでプロダクトデザインに魅了され、'54年までミラノ工科大学の建築学部に在籍。
'59年、電気部品工場を経営していた父が他界し、その仕事を引き継ぐ。
いったんアーティスト活動を休止するが、
工場でファイバーグラスやABS樹脂、PVC、ポリエチレンなどの新素材の研究に没頭していたようだ。
'62年、やはりプロダクトデザインへの情熱は冷め切らず、会社を辞めてミラノのピアーヴェ通りにスタジオを設立。
ここから美しい曲線と機能性が融合した画期的な作品を世に送り出した。
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Elda Chair 1963 Comfort
当時、新素材だったファイバーグラスを使用した「エルダ・チェア」。
ジョエ・コロンボ夫人の名前を冠したように、この椅子には特別な思い入れがあったようだ。 |
'64年、照明「アクリリカ」で第13回ミラノ・トリエンナーレで金賞を、
'67年、照明「スパイダー」でコンパッソドーロ賞を受賞した。
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Acrilica 1962 Oluce
基底部からの光がアクリルに伝わり、前面がほのかに光るランプ。
弟ジャンニ・コロンボとの共同デザインで、第13回ミラノ・トリエンナーレで金賞した。 |
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Spider 1965 Oluce
高さや向きを自在に調整できるランプ。
'67年に名誉あるコンパッソドーロ賞を受賞した。 |
'69年、ケルンの家具見本市で「VISIONA 1」を出展。
“Total Functioning Unit”と呼ばれるシステムは、
「Night Cell」(ベット、戸棚、バスルーム)、「Kitchen Box」(キッチン、ダイニング)、
「Central
Living」(リヴィング)と呼ばれる3つのスペースを機能的に分割し、ユニット化したものだ。
'70年には、「Living Center」とよばれるユニットシリーズを Rosenthal 社より発表。
コロンボ没後の'72年、MoMAで行われたエキシビジョン「Italy : The New Domestic Landscape」では、
“Total Functioning Unit”を進化させたものが展示された。
このように晩年のコロンボは、「家具」というよりは居住空間と家具が一体化したメカニカルなものを追求したようだ。
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VISIONA 1 [
1969 ]
「ヴィジオナ」とは、パントンやコロンボらが前衛的な空間をデザインした伝説的なエキシビジョン。
ドイツのバイエル社のバックアップにより、1968年から1974年に掛けて家具見本市で発表された。
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Italy : The New Domestic Landscape [
1972 ]
コロンボ没後の'72年、MoMAで行われた展覧会。
「Roto Living」(1969)や「Cabriolet Bed」(1969)などが設置された。 |
'71年7月30日、スキーとジャズ、パイプと車をこよなく愛したイタリアンデザインの巨匠は、
41歳の誕生日に心不全で他界した。
現在でも、彼のプロダクトは着々と復刻され、世界中の人々を魅了し続けている。
■関連人物
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Gianni Colombo [
1937 – 1992 ]
ジャンニ・コロンボは、ジョエ・コロンボの弟でプロダクトデザイナー。
ジョエとともに照明「アクリリカ」を共同デザインした。 |
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Gea 1970 Arredoluce
ジャンニ・コロンボがデザインした球体の照明「ゲア」。
ジノ・サルファッティの照明メーカーから発売された。 |
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Ignazia Favata [
1943 ]
イグナツィア・ファヴァタは、ミラノ工科大学を卒業後、ジョエ・コロンボのアシスタントを務めた女性デザイナー。
コロンボの死後、彼のプロダクツの管理を行っている。 |
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Spinny 2004 B-Line
スタジオ・コロンボから発表されたワゴン「スピニー」。
ロングセラー「ボビー」をデザインベースにしています。 |
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