アメリカの古本屋に注文していた『VGC Alphabet Library』が届いた。

Visual Graphics Corporation (以下、VGC)といえば、フォント「Serpentine」が今でも人気ですね。
同社の見本帳は1976年からリリースされていて、今回購入したものは1990年の最終版。
490ページ、2045書体を掲載。
名前は知ってたけど見たことのなかったものなど、フォント化されていない書体が満載です。
『モンセン・スタンダード欧文書体清刷集』は、この見本帳がベースになっているようです。
幻のレア書体「Tiffany with Swashes」(「Tiffany」にスワッシュを施したもの)も
VGC のカスタム書体のようですが、
残念ながらこのカタログには載っていませんでした。
VGC の書体一覧はこちら
■VGCについて
1959年、マイアミのマレー・フリーデル(Murray
Friedel)が「PhotoTypositor」という写植機を開発。
さらに同氏によって Visual Graphics Corporation が設立されました。
このマシンは多くのデザイナーを魅了し、同社のコンサルタントには、
後にハーブ・ルバーリンと ITC を設立するアーロン・バーンズ(Aaron Burns)が就任しました。
'61年、フォルクスワーゲンの広告キャンペーンで知られる米国の広告会社 Doyle Dane Bernbach が
PhotoTypositor を最初に使用したようです。
また、PhotoTypositor によって、IBM, Mobil, Manhattan Bank などのロゴや
「CBS Didot」などのカスタム・アルファベットが誕生しました。
'64年、VGC 初の書体「Pistilli Roman」をリリース。
このレア書体は、ファッション誌『Self Service Magazine』でよく使われています。
'65年、VGC 主催による第1回タイプフェイス・コンペティションが開催。
審査員はルバーリンをはじめ、Paul Rand, Lucian Bernhard, Will Burtin,
Alvin Eisenman, Bradbury Thompson, Arnold Bank など、錚々たるデザイナーが参加しました。
ルバーリンによって告知ポスターと、入選者の書体を使ったポスターがデザインされました。
01.
Pistilli
Roman を使ったコンペ開催の告知ポスター
02. Davida by
Louis Minott, 1965
03. Solitaire by John W. Denzler, 1965 |
04. Visa by
Raphael Boguslav, 1966
05.
Amelia by Stan Davis, 1966
06.
Arrow by Walter J. Diethelm, 1966 |
■関連リンク
Display phototype in New York |