• 「タイムズ・ニュー・ローマン」は、1932年に英『The Times』の活字として開発された書体。
• モノタイプ社の顧問だったスタンレー・モリソン監修のもと、ヴィクター・ラーデントによってデザインされた。
• 経緯がおもしろく、当時「タイムズ紙の組版は時代遅れ」と批判していたモリソンに同誌のマネージャーが注目。 タイムズ紙の重役だった William Lints-Smith はモリソンを顧問に迎え、新しい書体の開発に着手した。
• Baskerville, Plantin, Imprint, Ionic, Perpetua などでテスト印刷し、最終的に委員会の決定で Plantin と Perpetua が候補に残った。 モリソンは Perpetua をモデファイし、Times New Roman と命名した。
• ちなみにそれ以前に使われていたのが Times Old Roman である。
• 1972年、タイムズ紙は書体を Times Europa (by Walter Tracy for Linotype) へ変更したものの、再び Times New Roman へ変更した。
• Linotype 社にライセンスされたものは Times と名付けられた。

Black: Times New Roman / Red: Times

さらに、いくつかのモデファイされた書体が存在する。こういった詳細不明の書体を追求するのは、探求者の醍醐味であろう。

Times Bold Modified
『欧文書体集 1488』(363, 364) と 『VGC Alphabet Library』 (364)に掲載。

Modern Times Black
Lettergraphics International のカタログに掲載。

New Times Bold

Bob Dylan – Hard Rain, 1976
Times New Roman or Times