• ハーブ・ルバーリンとジョン・ピスティリによる「ピスティリ・ローマン」は Great Primer (1812) や Gros-Canon (1838) などの Bodoni 系のフォントをベースに開発されたと考えられる。
• どっしりとしたボディにヘアラインと呼ばれる極細線で構成されており、はっきりとしたコントラストが特徴。
• 釣り針のようなシャープなセリフが緊張感を与えつつも、大きなケルンを持たせることにより、愛嬌を感じさせる表情づくりに成功している。
• 個性的な &（アンパサンド）が有名ではないだろうか。
• VGC 社より最初にリリースされた写植用書体。
• リリースされて日本でもすぐにデザイン関連誌で紹介された。
• 60–70年代のカバーアートによく使われたが、80年代あたりから見かけなくなった。
• ファッション誌『Self Service Magazine』 で Work In Progress がよく使っている。
• 日本では Jazztronik – Real Clothes, 2009 に使用されリバイバルした。
• Pistilli Roman をベースにスワッシュを施した Didoni がある。

Family

1. Pistilli Roman
2. Pistilli Roman Black
3. Pistilli Roman Outline
4. Pistilli Roman Outline No. 1
5. Pistilli Roman Classic Italic
6. Pistilli Roman Linear Italic
7. Pistilli Roman Modern Italic
8. Pistilli Roman Swash (Didoni)

Black は小さなポイントで印刷した場合、極細線が潰れてしまわないように用意されたものと考えられる。 当時としては画期的で、今のフォントメーカーでもやっているところは少ない。

Sam Haskins – Cowboy Kate & Other Stories. Corgi Edition 1968
サム・ハスキンスの有名な写真集『Cowboy Kate』。 1968年に増刷されたバージョン。 出版会社によって表紙のレイアウトや書体が異なる。

Sam Haskins – Five Girls, 1962

Artemide

CBS Ad ha ha ha designed by Lou Dorfsman, lettering by John Pistilli, 1962
「ハッハッハ 最後に笑う者はもっとよく笑う

Firmen Schriften, 1902

Symbols Signs & Signets, 1950
アンバーサンドに注目。

John Pistilli

ジョン・ピスティリ(1925–2003) は、アメリカの広告会社 Sudler & Hennessey で Herb Lubalin と働いたデザイナー。 ルバーリンの非常に粗いスケッチを、卓越したレタリング技術で洗練された作品に仕上げた。 同社では、部下の Tom Carnase がピスティリの訓練を受け、スタイルを継承した。 1949年から同社に在籍するルバーリンは1964年、自身の会社を設立するため独立するが、ピスティリは最後まで Sudler & Hennessey 社に在籍した。

Born December 4, 1925, he attended public schools in Astoria and Long Island City, N.Y. He graduated from the Jean Morgan School of Art in New York City, where he studied lettering under J. Albert Cavanaugh. He has also completed art courses at the City College of New York and during World War II served in the US Navy.

Paul Stuart logotype by John Pistilli